初めて聞く、興絽さんの怒鳴り声。 焦りがひしひしと伝わる。 「…………」 突飛過ぎて、ついていけない。 だけど……頷いていた。 「……! じゃあ、校舎の裏にタクシーが止めてあるから。 それで空港まで……!」 そして同時に走り出す。 「アズ様、どうし……きゃッ!!」 沙織と途中ですれ違ったけれど、立ち止まれない。 ……嘘だろ? ……あたしに黙って、どっかに行ったりしないよね? ねぇ、紺……! 助けて、心臓が張り裂けそうなんだ。