「まぁ……それなら仕方ないですね」


「アズ様、二日目は二人分がんばって下さい!」



文化祭を休むほどの用事ってなんだろう。


あたしはそう思ったけれど、いろいろ背負ってるもんがあるお嬢様にとって、それは割りとよくあることみたいで。


みんな特に理由も聞かずに納得した。





その日の放課後。



桜花の裏門に並ぶ、紺と興絽さん。




「……悪い」


「……いえ。あなたが来なくても、梓ちゃんから来る答えは分かってたので」


「でもお前……」


「……気づいてたんですか? 俺が……本気だったこと」


「あの時にな……。
 でも、少しはよかったんじゃない?」


「そうですね。洸にしがみつくことはもう無さそうだ」