翌日。
朝早くから、どこかへ出かけてしまった紺。
昨日の呼び出しの理由を聞いても……言葉を濁されてしまった。
「……暇だなー……」
ベッドに腰掛けて、ぼんやりと部屋を見渡す。
部屋の片付けでもしようか、と立ち上がったとき。
突風が吹き込んできて、部屋を散らかしていった。
「おいおい……いくら掃除しようと思ってたからって」
窓を閉め、飛ばされたプリントをかき集めていると、見覚えのないものがいくつかあった。
紺のも紛れてしまったのかな、と取り出すと、それはエアメール。
読めないその住所は……フランス語だった。

