「だから、アズがあいつと付き合ってでもくれたら、誰も苦しまないで済むと思った。
アズだったら、あいつの中の洸への悲しみが消せる。確信が持てる。
それに、そうしたら……俺もアズへの気持ちをしまえると思った。
それなのにこんなことして……ごめん。
俺、本当勝手だよなー……」
「そんな、こと」
心臓が、うるさい。
興絽さんに誘われたときとは、段違いだ。
あたしは、別に……洸に、紺に、恋心を抱いたことはない。
そのはず……だよ。
なのに、胸が締め付けられて……死にそう。
「答えとか、全然いらないから。
これからも、ただのルームメイトでいいから。
……俺が今言ったことも、忘れていいから。
でも、俺の……"紺"の存在は、忘れないでほしい」

