「え……?」
まっすぐにぶつかる視線。
しっかりと前を見る彼の目には……確かに、何かの"答え"が宿っている。
「私は……洸だよ。別に、洸として人生を再スタートさせたこと、後悔していない。
だけど……アズに会って。俺の中の……"洸の像"が、どんどん壊されて……。
俺は俺でしか、"紺"でしかいられなくなってたんだ」
あたしの目をまっすぐに見て、静かに話す。
視線に心が貫かれそう。
「でも俺は……誰も愛しちゃいけないから。
そうすることでしか、あいつへの罪を償えないから」
……もう、何も言えなかった。
そしてなんとなく、予感もしていた。
「興絽から……洸を奪ってしまったから」

