「俺、洸ちゃんのこともっと知りたいなァ。
どうです、ちょっとあっち行きません?」
「え」
この場から抜けようと、洸を誘い出す深谷君。
「いいよなー、興絽?」
「お前……駄目ッつっても行くだろ。
ごめんね如月さん。でもこいつの誠実さは保障するから」
完全に、行く流れだ。
洸は困った顔をしている。
断る理由を探しているように、見えなくもない。
だけど……。
「じゃ、ちょっと洸ちゃんお借りしまーす!
そちらお二方も、どうぞごゆっくり!」
「あ……洸!」
軽く腕を引かれ、洸と深谷君は通路を曲がっていってしまった。
二人が見えなくなると……一気に空気が変わる。
「ごめんねー、勝手なやつで」
「い、いえ……」

