「……」 「……ッ!」 「……!」 「……え、何? この空気?」 つい黙り込むあたし。 そして洸が言葉を失うのもわかる。 でも……興絽さんまで。 興絽さん……洸の兄弟……"洸"さんについて知ってるのかも。 「……いるよ。双子の弟が一人」 「へぇ、弟さん! 高校はどこに?」 「近くの私立です。桜花と同じようなところ」 「へぇー! やっぱ洸ちゃん家ってお金あるんすねー!」 無邪気に騒ぐ深谷君。 それに笑って答える洸の目は……前、あたしが最初に理由を尋ねたときの目を同じだった。