席を4人がけに移動して、奥からあたし、洸の順で座る。
すると深谷君が興絽さんを奥に奥に押しやって、洸の前に座る。
あたしはそうなると、興絽さんの前。
「……一週間早くなっちゃいましたね」
「そう、ですね」
隣では、洸がいろいろ質問を浴びせられている。
「如月さん、どんな音楽好き?」
「洸さん、スポーツとかする?」
「洸ちゃん、部活とか何やってるの?」
だんだん親近感を増してくる深谷君の呼び方が面白い。
洸は困ったように笑ってる。
すると、不意に……。
「洸ちゃん、兄弟とかいるの?」
深谷君が、無邪気な目でそう聞いた。

