7月の、最後の日曜日。
夏休み中であるちょうど一ヵ月後に、また出かける約束をした。
「そうだ洸! 服選んでよ。
今日は、この間買ってもらったのを着てったけどさー」
「……マンザラじゃなさそうだね」
夕飯を食べに行こうと財布をかばんから出しながら何気なく言うと、洸が伏し目がちに答えてきた。
口元は笑っているけれど……。
「……そう、かな? でもまぁ、こんなの生まれて初めてだし。
浮き足立ってる、ていうのは事実かもなぁ」
男子に告白される、なんて。
今まで考えたこともなかったし。
「……よかったね」
そして、本当に小さく聞こえた洸の声。
それしか聞き取れなかったけれど、口元が小さく動いていた。
「……これで俺も、諦めがつきそうだ」

