「お待たせしてすいません!」
集合場所まで行くと、まだ時間に余裕はあるのに、興絽さんがいた。
「いえ。今来たところですから。
それに、女性を待たせるわけにはいかないし」
……女性ッ!!
そんなこと言われたの……初めてだ。
興絽さんはやっぱり……あたしみたいなのにも優しくしてくれて、本当にいい人……。
「さて、それじゃあ行こうか」
「はいッ!」
興絽さんに導かれ、映画館へと向かう。
その道中でも、あたしの方を見ながら話してくれる。
自分の好み、興絽さんの好みが分かるように会話を進めてくれるし。
映画代も出してくれて……本当に男らしい。
……だけど。