「お前……興絽と付き合えよ」
美容院から出た、洸の第一声。
「え……?」
あまりに突然すぎるその言葉に、つい聞き返す。
「だから……興絽と付き合えって。
大丈夫、悪いやつじゃないから」
「ちょ……待ってよ洸。
あたし別にそんなつもりで興絽さんに会うわけじゃ……!」
「いいんだよ、今はそれで。
興絽も断るようなマネはしないと思うからさ。
さてそれより、明日の撮影だけど……」
そして不自然に話題をそらす洸。
どういう意味だろう……そして。
なんであたしは洸に、興絽さんとあたしがそうなると思われるのがあんなに不快だったんだろう。
別に興絽さんのことが嫌いじゃないし、むしろ……。

