そして、土曜日。
事情があるから外で待ち合わせると言った洸に従って、ちょっと学校から離れた喫茶店で待つこと10分。
やっと洸が来た。
「ごめん、お待たせ。
なかなか人がいなくならなくて……」
「でぁッ!!? こ、洸!!!?」
……男姿だった。
「な、なななんで!! なんでおと……」
「ストップストップ。今日は俺これで過ごすから。
せっかく美容院行くんだから、俺も髪切りたいし?
安心して、俺御用達の美容院連れてくから!
電車で6駅先んとこね」
無理やりあたしの口を封じさせて、説得する。
そんな遠くなら……大丈夫な気もしなくはないけど。
まぁ、洸の言うこともわかるし。

