「映画を……興絽、さんと?」
「うん! 洸はあんま興味無さそうだったしさ。
興絽さん誘ってくれたんだ。
代わり、美容院と……どこ行く?」
部屋に戻って、さっそく洸に話をした。
「いや……特に俺は行きたいとこないし」
「あたしもだよ……じゃ、美容院だけにするか」
なんだか、洸より興絽さんを優先しちゃった気分。
実際そうなのかもしれないけれど……洸に申し訳ないな。
「……夕飯、食べに行こうか」
「う、うん」
洸は、あたしのほうを見ずに誘った。
やっぱ……不快にさせちゃったかな。
食堂でも、洸はやけに静かだった。

