その日の放課後。 寮で漫画を読んでいたら、部屋の電話が鳴った。 この電話が通じてるのは、職員室と寮長室。 こちらが鳴るというのは……99パーセント呼び出しだ。 「はい、32号室桜木です」 電話に近かったあたしが電話を取る。 「桜木さん? コオロキさんという男性がお呼びです」 相手は寮長だった。 ……って、え? 「興絽さんッ!?」 「え、えぇ……そのように申されてます。 長身で、めがねをおかけに……」 「うわぁーッ! すぐに行きます! 待ってもらえるようお伝えくださいッ!」