「洸様アズ様ー、お料理追加来ましたよー!!」 遠くから沙織の声が聞こえた。 「じゃ、行こうか?」 「うん……あ、この紙どうしたらいいの?」 「知らね……記念に持っといたら?」 記念、か。 ま、高校生活最初の体育祭だし? 「じゃあ……とっておこうかな」 「そうそう、記念記念」 そう笑う洸の言うとおり、手帳を開く。 "好きな人" そう書かれた紙を手帳に挟んで、また賑やかなパーティーへと戻っていった。