「……じゃあ、一個質問していい……?」
「……答えられることなら」
許可が下りたので、キミの目を真っ直ぐに見て聞く。
「キミは今……。
……誰なの?」
キミは、紺という存在を消したと言う。
でも……あたしの前で見せてくれる、あたしの前だけで見せてくれる表情。
それは……ニセモノとは思えないんだ。
「俺は……誰なんだろう」
そしてまた、真っ直ぐあたしの目を見て答えるキミ。
その目の色には……誤魔化しだとか、はぐらかした感じはなかった。
「答えはまだ出そうにない……。
でも、洸になったから俺とアズが出会えた、これは事実だから。
答えが出せるまで……俺は洸でいるよ」
「……わかった」

