ひみつのルームメイト




「忘れたいのに……今でもまだはっきりと思い出せる。
 
 あいつが俺を押しのけて……ッ」



「洸! いいよ、辛いんだろ!?
 あたしは別に、この間何があったのかが知りた……!
 いや、もうそれもいいよ!」




……こんな辛そうな洸、初めて見た。


淡々と話していたのが……嘘のよう。



「……いい。アズに聞いてもらいたい。


 "洸"は……トラックに轢かれて死んだんだ。

 ケンカした後だったのに……あいつは俺の身代わりになったんだ。
 おかげで俺は……視神経を傷つけただけで済んだけど、あいつは……」



直接的な表現が、嫌にリアルで。


あたしの頭の中にも情景が浮かんでくる。




「俺が声をかけても……"洸"は笑うばかりで。
 
 着ていた真っ白い制服に……血の染みがどんどん広がっていって……」