殺し、た……?
洸、を……!?
「……意味、分かんないんだけど。
だって洸は今……!」
思わず口を挟むと、洸は目を伏せて、また呟くように喋り始めた。
「……俺のせいで、"洸"が死んだんだ。
あの日俺と"洸"は喧嘩した。
原因は本当にささいなことで……はっきりとは覚えてねェ。
それで俺は家を飛び出して……
ろくに前も見ずに、赤に変わった交差点に突っ込んだ」
洸はまるで、何も感じていないように淡々と語る。
どこかの誰かが体験した話を、朗読するかのように……。
洸は、洸を殺したと語る。
「そこにトラックが横切ったんだ」

