俺が産まれた家は……Witticismっていうファッションブランド会社。
父がデザインをし、母が経営、そうやって一代でのし上がった会社だったんだ。
そこに、"洸と紺"が産まれた。
あいつと俺は、顔以外は全然似てなくてね。
センスのあるあいつは……両親の期待の星だったんだ。
二代目は絶対姉のほうだ、
そう話してたのを俺は知ってる。
それを悲しいと感じたことはなかった。
母さんだって、センスはないんだ。
だけど、父さんの右腕として役に立っている。
だから俺が将来あいつの右腕になってやる。
センスなんてなくても、あいつを手助けする。
……ずっとそう思ってた。

