不意に、アズの声が聞こえた。 そして近くなる足音。 「あー洸、いた」 廊下から顔を覗かせると、こどもみたいに笑った。 「……どうしたの?」 「ん、あれ? ……あたしなんで洸探してたんだろ」 ……そしてなんともアズらしい答え。 「あーそうだ! 約束! 体育祭終わったら、全部話すっていったよね!」 「なんだ……そのために来たの?」 「……いや? 今思い出した」 ……なんだこいつ。 「まぁ……アズらしいな」 「……今絶対、バカにしただろ」 ……まぁいいや、一度しか話さないからな…………?