「洸様に拍手!」
「榊原さんに拍手ー!」
誰かが叫んだら、あっという間にグラウンドは拍手喝采。
琉馬の生徒も楽しそうに拍手している。
『こりゃぁ……負けた』
少し嬉しそうに呟く副学園長。
泣きじゃくるセンパイと、それに寄り添う赤組の先輩。
その拍手は、しばらく静まることはなかった。
『そして! 今回のMVPは、白組如月洸様、桜木梓様!
登壇して、トロフィーを授与してください!』
そんな賑やかなムードの中……え、MVP?
「げぇ、どうしよう洸! 表彰だって!」
「だから……舞台上がればいいんだってば。
ほら、一緒に行こう?」
……そして、長かった体育祭は幕を閉じた。