『学園長と並べられる私、その次女は長女と並べられる。
お前のプレッシャーなんて……正直、考えたこともなかったんだ。
それでお前は……散々ナルに勝とうとしていたんだな』
……どうやら、核心を突いたらしく。
センパイの目にどんどん涙が溜まっていく。
『だから……これは、一人の父親として。
この責任は……すべて私が負いましょう』
「やめてよパパっ! 私が勝手にやったことよッ!」
涙が頬を伝っていくのにも構わず、叫ぶ。
庶民で、放任主義な親の元に産まれたあたしにとっては……理解しがたい彼女の気持ち。
でも、辛さだけはよく伝わる。
「……私は勝手に、産まれて来た環境を恨んで……お姉ちゃんも恨んで……パパだって恨んでた。それなのに! そんなことされたら……!」
「恨んで……?」
センパイが、もう我を忘れた様子で泣き叫ぶ。
それに洸が小さく繰り返した。

