……同、時……? ぐわんと視界が歪んで、膝から崩れ落ちる。 「アズ!」 慌てて走ってきた洸によって、なんとか支えられた。 「同時、だった……?」 「え……?」 「……あたし、勝てなかったの……?」 ……洸の顔が、ちょっと滲んだ。 ……泣くな、あたしのバカ。 そうだよ、これはただの体育祭。 そんな本気になることないんだ。 ……そう思えば、楽だったのかな。