そのまま沙織は帰ってこなかった。
そして、白組には今全部で10人ほど。
かろうじて応援席に残ってる人も、顔色が悪い。
「……下剤でも入れたかな」
「さァ……知りたくもないや」
次の試合では、人数が足りなくてあたしも試合に出た。
結果は引き分け、両組に一点ずつ入る。
その次の競技では、白組が見事勝利。
これで18対14……点差が5点を切った。
最終競技の選抜リレーでは、優勝チームに5点入るから、逆転のチャンスが出来たんだ。
「……チャンスだよ、洸」
「……私、この状況をピンチ以外に形容する人がいるなんて思わなかった」

