応援席に着いた途端、みんなにどやされてしまった。
「ごめんごめん……ん、お弁当って?」
「知らない先輩が差し入れてくださったんです。
どうも、調理部にはそういう風習があるようでして……」
「へぇ、よかったねー。あたしらも食べたから大丈夫だよ。
……あれ、あの弁当って……」
……なんか気づいたら弁当つついてたけど。
あれってどこから出てきたんだっけ!?
「……私が寮で作ってきたんだよ」
「え、そうだったの!? ……ゴチになりました!」
いつの間に……ぜんぜん気づかなかった。
それに洸が、はは、と笑った。
久しぶりに見た……"いつも通り"な笑顔だ。
みんなもそれに気づいたみたいで、ほっとしたように笑った。

