「は……?」



この騒がしいグラウンドでは、かき消されておかしくないほどのか弱い声。


でも嫌にはっきりあたしの耳に届いた。




「……なんだよ、いまさら……!
 大体、洸は何に謝ってんのか、あたし分かんな……」


「ごめんね」



混乱するあたしの言葉をさえぎって、もう一度はっきり言う。




「全部……話すから。

 もう何も、隠さないから」



くるりと振り返り、あたしの目を真っ直ぐ見る洸。


洸に対する苛立ちはないけれど……何がなんだかわからない。



最後に洸は、小さく呟いてグラウンドに戻っていった。





「アズ、大好き」