ひみつのルームメイト



「アズ様……私もう、赤組が許せません!
 全部、榊原さんの仕業に決まってます」



あたしの絶対勝利を信じて疑わなかった沙織は、何も言っていないのにそう叫びだした。


「……ごめんね、まんまとやられちゃって。
 あんなに意気込んでたのに、恥ずかしいや」


「アズ様が謝るなんて、そんな馬鹿げた話はありません」



……心強いなぁ、沙織は。


あたし、いつの間にかこんないい友達持ってたんだ。


沙織にしろ、洸にしろ……。



そう思ってハッとした。


違う、洸はもう……。



……友達じゃない、なんてことは言えないけど。


それを言う勇気もないのに、意地張って距離を置くあたしが情けない。


洸は……今何を思ってるんだろう。