「……おかしいだろ」
もう一度、ゆっくり呟く。
赤組のうちの一人が、クスクス笑った。
それをまた赤組の一人が、申し訳なさそうな顔して見てる。
『6位は白組2年ー……』
能天気な実況の声がイライラする。
これで点差は広まるばかり。
……これで確信が持てた。
赤組は、こんなことばっかやってて何が楽しいんだ。
アンフェアな勝負に勝ったって、空しさしか残らないのに。
そんなのに勝ったって、意味ないのに……!
試合は、午前種目最後の障害物競走を迎えた。
赤組の騒がしさと白組の静けさは、まさに正反対だった。

