すぐにブレーキをかけたが、そんなすぐに止まれるわけもなく……ぶつかってしまう。


こちらのほうがスピードがあったので、あたしが相手に乗っかる形になってしまう。




「う……わ!! ごめん!
 怪我……ない!!?」


慌てて起き上がり、相手の子にも手を差し伸べる。



「うん……大丈夫。ありがとう」



手を差し伸べたら……


……美しい、そして清らかな天使がそこにいた。




さらさらと風になびく、銀がかった長い髪。


少し青みがかった大きな瞳に、長いまつげ。


発色がよくて艶のある唇、ほんのり染まった頬。