「洸!! なんだその怪我!!
お前、一晩どこにいたんだよ!」
心配する気持ち、だけだった。
なのにそれが空回って、洸の胸倉を掴んで揺さぶっていた。
「……ごめん、迷惑かけて。
でも多分誰にも見つかってないから。
ペナルティはないと思……」
「バカ野郎! そんな話してねェよ!!
その怪我と、いなくなった理由を話せって言ってんだ!」
……怒ってない、怒ってないんだあたしは。
でも、言葉が止まらない。
口を閉じたら……多分あたしは泣いてしまう。
理由は……分からないけど。
今すごい……泣きたい気持ちだ。
「……ごめん。……言えない」

