次の日の朝。 あたしはいつもより早く目が覚めた。 キッチンのほうから……変な音がしたから。 ちら、と隣のベッドを見ると、やっぱりそこには誰もいなかった。 「……ナベかなんか落ちたかな?」 うとうとしながらキッチンへ歩いていく。 「あー、ったくあの野郎……」 ふと、キッチンからそんな声が聞こえて、あたしはつい立ち止まった。 ……この、声。 「洸!?」 「……アズ」 …………いた。 キッチンの床に、不自然に座り込んでいる洸。 そして何があったのか、その体は傷だらけだった。