「じゃあ、種目黒板に書いていってくれない?
そうすればスムーズに進行できるし……私手伝うよ」
「え……! そんな、洸様の手をわずらわせるような……」
「いいって。私も一人の生徒なんだから」
ハイ、と挙手しながら立ち上がった洸。
やっぱこういうとこまで気が利くから……可愛いんだよな。
「……ピラミッドリレー、15人、選抜リレー、8人……」
プリントを確認しながら黒板に書き記す二人を、何気なく見るあたしたち。
やっぱ洸も一応男だから背は高くて、黒板の上にも軽々届く。
奇跡的に筋肉を感じさせない腕や足してるけど、よくバレないよなァ……。
しばらくいて分かったけど、この学校で「洸が男だ」なんて言おうもんなら、はみ出されるのはあたしだよ。

