「な、なんてかっこいい……!」
「イケメンですぅ……!」
……なんか教室の空気がおかしかった。
「……よかったね、イケメン君」
洸がクスクス笑いかけてくる。
「アズ様と洸様が並ぶと、また一段と華やかで……!」
「あぁ、そうだ。サラシなんて巻いてみてはいかがでしょう?」
みんなこっちを見て、あーだこーだと言ってくる。
批判を浴びてるわけではないとわかったけど……"イケメン君"か。
「アズ様、今日一日その格好でいてくださいますか?」
「いやいやいや、それは……」
真顔でそんなこと言われても、困りますよあたしは。
ていうかサラシって……あたし別に、そこまで徹底したのを提案したつもりはないんだけど。
お金持ちの行動力は怖いわ。

