「もう……バカ。 心配さすんじゃねェよー……」 不意に、電話の声と肉声が混ざった。 目の前に立ち止まった人を見上げると……息を切らしたアズ。 「……ごめん。本当……」 「バカ、謝るなよ! 洸が悪いんじゃないじゃん!」 ……じゃあ、どうしたらいいんだよ俺は。 アズらしい心配の仕方に、笑いがこみ上げてくる。 「……っていうか洸! なんで男になってるの! 危ないじゃん、こんなところで……!」 「あー……戻るの忘れてた」 ていうか正直、面倒くさいし……。