「もしもし、……アズ!?」 『あ……洸! 今どこだよ!』 やっぱり……アズだ。 周りの音からして、走っているみたい。 「ごめん……ちょっと変なやつらに絡まれて。 携帯取られてて……今、撒いたんだけど」 『え……何それ! 怪我はない?』 「ん、大丈夫」 アズが走ってる、と思うと。 気がついたら俺も走っていた。 アズが今どこにいるかもわからないのに、やみくもに走っている。