そのうちにそいつの指先は真っ青になり、バッグがぽとりと落ちる。 ふるふると痙攣していた。 「ん、返す気になった? ありがとね。 おにーさん、話のわかるいい人じゃん!」 腕を放してバッグを拾う。 男たちはもう何も言わなかった。 「じゃーね、お元気で」 ……早くアズのところへ行かねェと。 携帯を見ると、アズからの不在着信が一件。 ついさっきのことだった。 そしてちょうどそれを確認したとき、また着信が入った。 それに俺は100パーセントの自信を持って、相手を確かめずに出た。