あたしが目を覚ましたのは、突然首筋に冷たい感触があったから。 「ー……ッ!!!」 びっくりして跳ね起きると、嘘みたいに体が軽かった。 「あ、ごめん。びっくりさせちゃった?」 「え、あれ? ここ……地下街だよね。 あの……どちら様でしょう?」 あたりを見回すと、さっきと変わらない地下街。 でも隣にいたのは……洸じゃなくて、知らない男性。 歳はあたしと近そうだけど……。 「俺は興絽です。 覚えていませんか? 君、突然倒れたんだけど……」 「あ、あ……! ちょっと記憶にあります」