「あ、いっけねぇ」
店から出たとき、洸が本当に小さな声で呟いた。
「私、どっかで自販機見つけて飲み物買ってくる。
アズ、結局何も飲んでないでしょ! いい、熱中症になったらしばらくはかかり易いんだから。絶対気をつけないと駄目だからね!」
そう一言で言って、洸は走っていってしまった。
心配された、と思うと……なんかちょっと嬉しい。
ま、ルームメイトなんだから当然か、と納得して、どこかいすに座ろうと周りを見回したとき。
「……え?」
世界が、ぐわんと歪んだ。
そのうち膝に力が入らなくなる。
ヤバい……昨日と一緒だ……!
今、洸が言ったところなのに……!

