でも洸の口から出てきたのは……違う言葉だった。
「私が全額払ってあげるよ。
私が勝手に選んだんだし? プレゼント」
「……いやいやいや、それは悪いって!!」
「なんで? だって私が、これ着たアズが見たいって言って買うんだよ? 自然じゃん。
……俺男だよ?」
最後の一言だけ声を潜めて、耳元で囁いた。
慣れない感覚に……顔が赤くなる。
そして洸はレジへさっさと向かってしまった。
「これお願いしまーす」
茶色の皮財布を持って呼ぶ洸。
「ごめん洸……ありがとね」
洸に甘えて、買ってもらうことに。
「そうだよ、男立てて正解」
口の動きだけで、そう返事をもらった。

