「ち、ちょっと待ってよ! こんなに買えねェって!
ただでさえこのキャミソール2000円もするのに……!
ベルトなんて8000円だぜ!?」
このお店……ブランド物ばっかりだ。
こんなの……庶民の高校生に買えるか!
「ん? 私が半額出すんでしょ?」
「それでも無理だ!!」
たとえ半額になっても、福沢諭吉が何枚も必要。
頑張っても一枚しか出せねェ……!
「……まったく、仕方ないなぁ……」
無理無理コールを続けていると、不意に洸が諦めたようにつぶやいた。
「ね? ほら、ベルトとか戻そうよ。
あたし似たようなの持ってるし!」
一安心するあたし。

