「洋食店なんだけどね、ここのオムライスが絶品なんだ!
デミとトマトとあってね……」
ちょっと子供っぽく話しながら、ドアを開ける。
ちりんちりん、と鈴の音がした。
そこのオムライスは、本当においしくて。
小ぶりだから、女の子にも丁度いいのかも。
女子高近くのレストランとしては、文句のつけようのないお店だ。
「この時間にオムライス食べると、ちょうど3時ごろおなか空くんだよ。
だから服見て、お茶して、それから帰ろっか」
「ん、分かった」
これからの予定を確認して、先導する洸についていく。
しばらくすると、地下街のショッピングモールに着いた。
そして洸は、ある一軒に入っていった。
「ここ、私がよく買うお店。さて約束だから、服選んであげるよ」
軽く振り返って笑いながら言う洸。
しょうがないなぁ、とでも言うように。
「ほんとっ! じゃ、よろしくお願いします!!」
「……はーい」
……意気込みすぎ、と笑ったけれど、服をハンガーから外す姿が死ぬほどサマになっていた。

