「アズ……なんでそんな顔赤いの?」



少し浴槽から身を乗り出して、あたしの腕を掴む。


もう洸は完全にいつもの顔色。



「もしかして……俺のこと、意識しちゃった?」



濡れた前髪。


そして、妖艶な微笑み。




「ー……ッ!!!! ば、ばかっ!!!!」



洸の手を振り払い、大急ぎで出て行く。


脱衣所から出てすぐのところで、立っているのが辛くなってしゃがみ込む。



洸の……バカ野郎……!


……なんで腕なんて掴むんだよ!