散々釘を刺すあたしをウザがってそうだけど、今はあたしのほうが有利な立場にいる。
「じゃあ……入るよ?」
「ん」
そーっと、本当にゆっくりドアを開ける。
ギィ、と小さく木造のドアが鳴った。
「……ッ!」
さて洸にコンタクトを、と顔を浴槽に向けたとき。
……あたしは、自分でも分かるほどに顔を赤く染めた。
……洸が見てなくて、よかった。
本気でそう思ったほど。
約束どおり、ギリギリまでお湯に浸かっているとはいえ、見えてしまう胸や肩には、筋肉がしっかりついていて、とても女の子とは思えない。
濡れている髪、そして伏せている目が……たまらなく色っぽい。
……だんだん火照ってきた。

