「なーアズ、洗面所の鏡の左の物置。
そこの、確か右から2番目の箱。それか3番目。
そこにコンタクト無いー?」
「え、鏡の左の棚?」
いったん脱衣所を離れて、洗面所に行く。
洸の言ったとおりの場所を探すと、そこには処方箋のような袋。
その中に確かにコンタクトがあった。
「洸ー、あったよ、コンタクト。
これ、どうすればいい?」
「んー、まず、ケースから出して」
袋から出すと、よく見るコンタクトの形。
視力のよさは学年一を誇っていたあたしとは無関係のものが、今あたしの手にある。
「そんでそれー……俺に渡して」
「……はい?」
「俺の中指に乗っけて?
そうすれば、付けられるから」