的場のやわらかそうな茶色い髪を見下ろしながら、ぽつりと呟く。



「……あたしのこと、キライ?」

「別にそんなんじゃねぇけど」



思いがけなく、返事がすぐに返ってきたのは嬉しかった。……が、それと同時に、的場のやる気のない、だるそうな声音に気が付く。

もしかしてあたしの告白に曖昧な返事をしたのは、ただ単に面倒くさかっただけなのではないか?

……コイツならありうる。

そんな考えに行き着いたあたしは、強行手段に出ることにした。



「………」



目を閉じている的場のからだに、ゆっくりと跨がる。

そして、その綺麗な首筋に唇を寄せると──ちぅ、と吸い付いた。



「──、」



ごくりと、喉が鳴るのがわかる。

あたしじゃなくて、コイツの。