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この日あたしは、前からすきだった的場に想いを伝えようと、ちゃっかり下駄箱のそばで待ち伏せしていた。

そして的場が来たところで出ていき、偶然を装って、途中まで一緒に帰ろうと誘ったのだ。

しばらくは何気ない会話を続け、それからあたしはふたりのそれぞれの家へ向かう、分かれ道のところで思いきって切り出した。



「的場のことが、すきなんだけど」



しかしその一世一代の告白に対して返ってきた言葉は、まさかの「ふーん」のひとことだけ。

的場は呆然とするあたしを残したまま、「じゃ」と相変わらずの無表情で片手をあげ、スタスタその場を立ち去ってしまったのだ。


なんですか、放置プレイですか?

コイツそういう趣味があったのか?


そんなこんなでこの万年無気力無慈悲男の真意を確かめるべく、今に至る。