それで…美雨菜は美亜里ちゃんのモノマネにハマってしまったのだ。
『奏先輩~私ね、相談したいことがあるの。』
『相談?』
そう言うと、満面の笑みで『うん!!』という美雨菜。
あーもう!いちいち可愛いな!!
『あのね、塩月君…いるでしょ?』
ああ…確か、美雨菜の隣の席の奴か。
あいつなー、最近…美雨菜にやたらベタベタするから、あんまり好きじゃないんだよなー。
『それでね、塩月君にね、バイトしないかって言われたのー!!』
…は?
そんな嬉しそうに言われても…。
『バ…バイト!?』
『うん!!金欠でお金欲しかったし、時給がすごくいいしね、塩月君もそこでバイトしてるんだって!ねぇ、いい?』
ごめんな。美雨菜。
俺は…お前をやすやすと塩月の元で働かすほど心が広くねぇんだ。
『ダメ。』
そのとたん、一気に美雨菜の目からキラキラ光るものが消えた。


