『1年の時、私は奏の隣のクラスだったんだけど…移動教室の時とかチラッと見えたんだよね。奏のクラスの中が。』
『…。』
『みんな笑ってて、賑やかで…楽しそうだった。でも、その輪の中心で…みんなから慕われている奏がすごく羨ましかった。』
美雨菜は真っ直ぐに俺を見る。
『その時からずっと気になってて…3年になって同じクラスになって、正直すごく嬉しかった。私もあの人の周りで笑っていたい…友達になりたい。って初めて思えた。』
『美雨菜…』
『だけど、噂とかあって…全然近づけなくて…結局1人で…。でも、あの日…この公園で奏と会って、名前を呼ばれて、会話が出来て…友達第一号って言ってくれて…嬉しかった。すごく。』
美雨菜は涙をポロポロ流し、俺に言った。
『それが今では…こんな距離にいるの。私… 幸せだよ。』
『美雨菜』
『奏…あのね…私言いたいことがあって…』
『美雨菜!』
『私と…っ!?』
俺は美雨菜に近づくと抱き締めた。
強く、強く。
『そ…う…?』
『白山美雨菜さん…俺と付き合って下さい。』
そう言うと美雨菜は、満面の笑みで言った。
『はい!』


