『白山さんって…高嶺の花って言われてるの知ってる?』
『ああ…』
『じゃあ、友達があんまりいないのも?』
『あー、知ってる知ってる』
俺が知っているのはそこまで。
『…友達がいない理由は容姿なんだけど…人によって捉え方が違うんだよ』
『…どうゆうこと?』
捉え方が違う?
俺はさっぱり意味がわからなくて、うーん…と考える。
『えっとね、容姿がキレイで近寄れないって人と容姿があんなんだから男をタブらかしてるって人。大抵が後者だよ。』
男をタブらかしてる…。
そんな風には見えないけど。
『ホラ…白山さんって美人じゃない?だから、モテるのよ…男に。』
なるほどな。
そういえば、白山さんは入学式のときから噂されていた。
『学年一の美少女、白山美雨菜』って。
『ある人が〈白山さんと男が歩いてるのを見た〉と言えばある人は〈きっとホテルから出てきたんだよ〉と言う。そういうのが積み重なって出来たのは…高嶺の花なんかじゃない。タラシ、白山美雨菜。』
『…。』
『噂が出回っているのを白山さんは知ってる。だけど白山さんは肯定しなければ否定もしない。だから、どんどん嘘が増えてやがて噂になる。』
