そこまで言って白山さんは立ち上がる。
『ごめん、何にもない。今のは忘れて。』
そして振り返らずに歩く。
俺は立ち上がって白山さんに声をかける。
『何号目とか…そんなの関係ないだろ?不安なんだったら一番仲よくなればいい話だし…』
すると白山さんは振り返ってこう言った。
『一番仲よし?…フッ。笑わせないで。そんなのムリに決まってるでしょ?葉月君…噂知らないの?私…高嶺の花なんかじゃないのよ。』
そう言って再び歩き出す。
『白山さん…』
白山さんが高嶺の花じゃない…?
噂ってなんだ…?
俺には全く分からない話。
その噂とやらで白山さんは一人なのか??
白山さんの後ろ姿を見ながら俺にはなんとも言えない感情が立ち込めた。


